春日神社【君津市上。珍しい形の鳥居】

2024年02月04日

春日神社(かすがじんじゃ)

君津市上の「春日神社」は、旧 周東郷地区の鎮守です。創建は不詳なのですが、奈良時代頃と推定される古社です。
境内は房総スカイライン(国道465号線)の中島交差点から北へ100mほど。車は境内へ停められます。

春日神社について

【祭神】天児屋根命(あめのこやねのみこと)
 神輿の担ぎ手が減っているようで神輿の担ぎ手募集のお知らせが小糸小PTAより出ておりました。
【旧社格】無格社
【祭礼】例大祭(9月第3日曜)
【御朱印】不明
【由緒・沿革】(参考:君津郡誌 下巻/境内の案内板)
創建は不詳。郡の鎮守である春日神社が奈良時代の延暦二年(793年)奈良の春日大明神を勧請のと同時期と考えられている。
 
上古の須恵国、後の上総国周准(すえ)郡周東郷(すとうごう)の先祖等が村の鎮守として創建した古社と伝わる。
 
平安時代の大治元年(1126年)、源暹(げんせん)上人が真言密教流布のため房総を訪れた際、大祭で活気に満ちていた当地を上総流布の最良の地と定め隣地に息災山大宮寺を開基したと伝わる。
 
鎌倉時代(1185年~1333年)周准郡は、周東と周西の二郷に分かれ、やがて藤原朝臣を名乗る関東家の領地となる。
 
周東氏は武勇の台地に周東城を築き当社を栄敬した。
※周東城については諸説あり確かな資料は確認されていません。
 
室町時代の応永二十五年(1418年)周東氏は当社御正躰として掛佛(鋳銅釈迦如来像懸仏)を奉納した。
 
関東官領足利利持氏の時代、その配下にあった周東氏が、その時代背景として武運長久と家運安穏を祈念したものと考えられる。
 
江戸時代の安政四年(1857年)中島村の地頭花村忠兵衛、河内平八良の両氏が神籾を奉納し、神輿を再建したことから再び祭礼が盛大となり明治三十五年(1902年)頃まで継続したと伝わる。
 
貞享三年(1686年)、享保十七年(1732年)、文化九年(1812年)、明治元年(1868年)本殿再建
明治十九年(1887年)神輿修理
昭和十年(1935年)本殿雨屋葺替
昭和十一年(1936年)拝殿、幣殿新築
昭和四十三年(1968年)本殿瓦葺替、厨子再建
昭和五十三年(1978年)鳥居再建
昭和五十七年(1982年)県道拡張工事により社殿および鳥居を数十m後方に移築
【文化財】(境内案内板より)
鋳銅釈迦如来像懸仏
君津市指定有形文化財(昭和六十一年三月三十一日指定)
 
懸仏は神道で御正躰(みしょうたい)と称し、円形の銅板に神仏の立体像をつけ、吊り下げて信仰の対象としたもので、鎌倉時代から室町時代にかけて多く見られます。
 
春日神社の懸仏は直径30cm、表面に禅定印(ぜんじょういん)を結ぶ釈迦如来坐像が鋳造されています。表面には銘文が刻まれ応永二十五年(1418年)三月中旬、周東左衛門景久によって奉納されたものであることがわかります。
 
十五世紀初頭、鎌倉公方(くぼう)足利持氏は、室町幕府や関東管領の上杉氏と対立関係にあり、鎌倉府の配下にあった周東氏が、この懸仏を奉納し、鎌倉公方の武運長久を祈ったものと考えられています。
 
室町時代における信仰の様子、周東郡や周東氏の歴史を知る上で、貴重な資料です。
 
君津市教育委員会

 


境内案内

上総掘り発祥の碑

境内入口にの石碑。(参考資料:境内案内板/君津市史 通史)
鹿野山の東山麓から北山麓にかけての小糸川流域、小櫃川流域は古くから自噴井戸(掘り抜き井戸)が多く、周辺は「泉」「大井」「大井戸」「深戸」など井戸に関する地名が多く残されています。
 
大宮寺蔵『突井戸萬記』、『中村誌』によると中村糠田の池田久蔵は、文化十四年(1817年)頃から井戸堀業を営む。当時は金棒の先に金具を取り付け台場突足場により30mほどの突いて出水しました・その後改良を重ね、中村の上総堀り用水井戸は約150か所に達したといいます。
 
なお、上総堀りの技術は現代にも受け継がれ「上総掘りの技術」として国指定重要無形文化財に指定されています。
文化省Webサイト上総掘りの技術
上総掘り技術伝承研究会Webサイト国の重要無形民俗文化財「上総掘りの技術」
上総堀発祥の地の石碑

鳥居

参道入口の朱塗りの鳥居。形状は見慣れない形です。
最上部の笠木、下の貫、柱がすべて円形。ここまでは神明鳥居と同じです。神明鳥居は貫が柱より出ているのに対して
この鳥居は額が柱の間に収まっています。
 
調べても分からないのでGoogleの画像検索で調べてみました。結果は、ほとんどが朱塗りの神明鳥居で、2ヶ所だけ同じ形の画像が見つかりました。
一つはこの春日神社。もう一つは宮崎県の舟津神社でした。
 
鳥居の数m先右側に春日神社のご由緒と文化財の案内板が建てられています。

【御由緒の案内板】
春日神社の御由緒
【文化財の案内板】
鋳銅釈迦如来像懸仏の案内

手水舎と手水鉢

年代は刻まれているのですが、読み取ることができません。
手水舎と手水鉢

拝殿

境内の案内板によると直近の工事は昭和五十七年(1982年)とあります。ここから現在まで40年以上経っているのでその後修復されている可能性があります。
春日神社の拝殿

拝殿と本殿

拝殿の裏側が本殿。境内全体は大変整備されており地元の方の信仰が篤い神社なのだと思われます。
春日神社の拝殿と本殿

隣の大宮寺

隣は元別当時の「息災山 大宮寺」。真言宗智山派の寺院です。
隣の大宮寺

周辺案内

ベルン

天然酵母のパン。種類が多い。
春日神社より約100m 徒歩約2分

ラーメンもみやま

魚介系&炙りチャーシューが人気

レストランシーベル

日本式洋食レストラン

明明

元『東洋』の料理長の店。五目そば(ラーメン)と五目焼きそばが人気

詳細情報

名称

春日神社

住所

〒299-1107 千葉県君津市上154-1

お問い合わせ先

0439-52-1192

※スマートフォンの方は電話番号をタップで直接電話できますので、営業時間や定休日をご確認下さい。
また掲載されている情報はこの記事を掲載した当時の情報ですので、古い場合がございます。
お問い合わせの際は「『房総タウン』を見た」とお伝えください。

定休日

なし

駐車場

あり

アクセス

館山自動車道路「君津IC」より約2.7km 車で約4分
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