諏訪神社【君津市清和市場】

2024年01月29日

諏訪神社概要

君津市清和市場(せいわいちば)の諏訪神社は、古来より小糸地区三十余村を代表する旧郷社です。
境内は富津市からいすみ市へ抜ける国道465号線の「西粟倉交差点」から北へ約1km。上の写真看板が目印です。
 
境内入口に駐車場があり、駐車場をは挟んで上諏訪神社と下諏訪神社に分かれています。
【由緒・沿革】
(参考文献:千葉縣君津郡誌 下巻/君津市史 通史)
平安時代 嘉祥(かしょう)元年(848年)
藤原政業信濃国諏訪神を勧請する
鎌倉時代 嘉禎(かてい)元年(1235年)
本社再造
室町時代 嘉吉(かきつ)三年(1444年)
秋元直家之を再建
室町時代 天文(てんぶん・てんもん)二十三年(1555年)および弘治二年(1556年)
秋元政次營造、修繕の工を成す
室町時代 元亀(げんき)元年(1570年)
神職石井家焼失し本社の資料すべて焼失し、明暦三年(1658年)にようやく本殿再建
江戸時代 延宝八年(1681年)
下諏訪神社の本殿を再建
江戸時代 元禄(1704年)
上諏訪神社の本殿を再建
江戸時代 享保十四年(1730年)
境内内の建造物を營造
江戸時代 延享四年(1748年)
上諏訪神社の本殿および拝殿を再建
江戸時代 寛政元年(1789年)
上諏訪神社の拝殿を修繕
江戸時代 嘉永三年(1851年)
下諏訪神社の拝殿を再建
明治四年(1871年)
郷社に列せられる
明治三十九年(1906年)十二月二十五日
神饌幣帛料(しんせんへいはくりょう)共進神社に指定される
神饌幣帛料共進神社:明治時代から第二次世界大戦までの間、地方公共団体より神饌(米、魚、酒など神様に供える供物)、幣帛(紙幣や金貨)の共進を受けていた神社

上諏訪神社概要

【祭神】建御名方命(たけみなかたのみこと)
【御朱印】不明
【末社】
 ・松尾神社
 ・神明神社
 ・熊野神社
 ・虫神社
 ・淡嶋神社
 ・他3社
【祭礼】8月第4日曜日 例大祭
御近様の大祭(おちかんさまのおおまち)と呼ばれ小糸地区を含めた大祭。
幟旗の奉納に始まり、山車、神輿、子供神輿が境内に入り神楽太鼓が奉納されます。
清和市場では日暮れから宵祭に大太鼓を担いで氏子巡りをする「ボンデン太鼓」が行われます。
祭礼の様子・画像⇒君津市公式ホームページ諏訪神社祭礼

下諏訪神社概要

【祭神】八坂刀賣神(やさかとめのかみ)
【御朱印】不明
【祭礼】12月5日(御狩祭)
毎年11月26日から12月4日までの間、畑を荒らす猪や鹿などの狩猟が行われ、翌12月5日の祭典で神前に供えて五穀豊穣を祈願します。
式典の後、肉は参拝者に振舞われ、激しい争奪戦がくり広げられます。この肉を食べると風邪をひかないなどのご利益があるとされています。
このような風習は現在でも房総に残されており「房総のミカリ習俗」として千葉県記録選択無形民俗文化財(平成8年3月22日)に指定されています。
・南房総市白浜町下立松原神社
・館山市洲宮洲宮神社
・君津市清和市場 諏訪神社(当神社)
御狩祭の様子・画像⇒君津市公式ホームページ御狩祭(しし切りまち)

 


上諏訪神社境内案内

参道入口に鳥居が建てられ、すぐ後に狛犬が置かれています。狛犬の先の右側に手水舎、石碑、末社が並びます。
参道中央に常夜灯が建ち、参道奥に拝殿が鎮座しています。
上諏訪神社の参道入口

鳥居

形状は明神(みょうじん)鳥居。年代は読取ることができません。
上諏訪神社の鳥居

狛犬

どっしりと重厚感のある形状。皇紀二十六百年記念と彫ってあるので昭和十五年(1940年)奉納です。
奉納者は東京深川 市宿出身 萓野安治郎

【上諏訪神社の狛犬(左)】
上諏訪神社の狛犬(左)
【上諏訪神社の狛犬(右)】
上諏訪神社の狛犬(右)

手水舎と手水鉢

手水鉢は比較的新しいものに見えますが、年代は見つけることができません。

石碑

石碑の前には砲弾が置かれています。石碑は、秋元春朝の書で『醇俗竭誠』と刻まれています。

【手水舎と手水鉢】
上諏訪神社の手水舎と手水鉢
【手水舎横の石碑】
上諏訪神社の石碑

松尾神社(末社)

上諏訪神社の石碑裏に鎮座する松尾神社。社殿内は左から熊野大明神、大椙大明神、松尾大明神が祀られています。
君津郡誌によると末社は上諏訪神社に三社、下諏訪神社に二社とあります。
上諏訪神社の末社

拝殿

拝殿の屋根は春日造り。郷社らしい重厚感があります。
令和元年(2019年)の東日本台風で破損したようです。現在は修復され、奉納者の名前が列挙されています。
上諏訪神社の拝殿

亀の彫刻

この亀は何かユーモラスな表情をしています。何かを置くためのものなのでしょうか?
呼び名や用途などは調べても分かりません。
怖いようでもあり、可愛いようでもあり、夢に出てきそうな亀です。
上諏訪神社の亀の彫刻

木鼻の彫刻

正面を向いているのが獅子、横を向いていて鼻が長いのが獏(バク)。獅子と獏は房総の神社で頻繁に見かけます。
獏は中国から伝わった想像上の動物で人の夢を食って生きると言われています。
(中南米に実際に生息しているバクと別物かどうかは不明。姿は似ている。)

【木鼻(左)】
上諏訪神社の木鼻(左)
【木鼻(右)】
上諏訪神社の木鼻(右)

鳥居の先に見えるのが下諏訪神社です。
下諏訪神社全景

 


下諏訪神社境内案内

下諏訪神社の鳥居

狛犬

【狛犬(左)】
狛犬(左)
【狛犬(右)】
狛犬(右)

拝殿

屋根の形状や作りは上諏訪神社と似ています。
下諏訪神社の拝殿

向拝の彫刻

波に千鳥の彫刻。彫工師は確認できません。
下諏訪神社向拝の彫刻

狛犬

上諏訪神社の狛犬と比べると新しいものです。奉納は昭和六十三年(1988年)四月吉日。

【狛犬(左)】
狛犬(左)
【狛犬(右)】
狛犬(右)

本殿

拝殿裏の本殿。八坂刀賣神が祀られています。八坂刀賣神は上諏訪神社の祭神である建御名方神の妃神であり、諏訪大社下社ほか各地の諏訪神社で祀られています。
下諏訪神社の本殿

詳細情報

名称

諏訪神社

住所

〒292-1154 千葉県君津市清和市場266

お問い合わせ先

0439-37-2430

※スマートフォンの方は電話番号をタップで直接電話できますので、営業時間や定休日をご確認下さい。
また掲載されている情報はこの記事を掲載した当時の情報ですので、古い場合がございます。
お問い合わせの際は「『房総タウン』を見た」とお伝えください。

営業時間

なし

駐車場

あり

アクセス

・館山自動車道路「君津IC」より約10.4km 車で約16分
・JR久留里線「久留里駅」より約13.3km 車で約23分
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