人見神社(ひとみじんじゃ)
概要
君津市人見の「人見神社」は、東京湾を見下ろす人見山(獅子山)(67.5m)の頂上に鎮座する「人見神社」は、ちば眺望100景に選ばれている絶景の神社。古くから千葉の六妙見(注1)の一社として旧十七ヵ村(君津、富津の海岸地域)の篤い崇敬を受けてきました。山頂からは東京湾を一望できちば眺望100選に指定されています。
注1 千葉の六妙見とは
妙見とは北斗七星や北極星信仰のことであり、千葉氏や九戸氏が妙見菩薩を守り神としていた。
千葉県内で妙見を祀る神社は以下の六社が有名で、「千葉の六妙見」と呼ばれている。
上総
・人見神社(当神社)
・久留里神社(君津市浦田)
・横田神社(袖ケ浦市横田)
下総
・千葉神社(千葉市中央区)
・印西妙見宮(印西市浦部)
・飯高妙見宮(匝瑳市飯高)
人見神社詳細
【旧社格】郷社
【祭神】天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の三柱を合わせて「造化三神(ぞうかさんしん)」と呼ばれます。
・天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
別名「妙見さま」。北極星や北斗七星の象徴。
・高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
高木が神格化されたもの。産霊(むすび)は生産、生成を意味する
・神産巣日神(かみむすびのかみ)
高御産巣日神と同様。
【ご利益】海上安全、勝負運、眼病平癒、五穀豊穣、殖産興業、縁結び など
【ご朱印・お守り】あり 9:00~16:00
詳しくは人見神社Webサイト社務所予定をご覧ください。
【出張祈願】地鎮祭、上棟祭、竣工式、清祓、事務所開、選挙当選祈願、工事安全、工場安全など
【年中行事】
・1月:歳旦祭(さいたんさい)
・2月:初妙見 祈年祭
・6月:大祓(おおはらい)
・7月:例祭
・11月:七五三
・12月:大祓(おおはらい)
【例祭】7月第3土曜日
・御衣替え神事
神社の真菰田で栽培した真菰で神衣(かむい)を調製し、三神に着せ替えもうしあげる行事
神社の真菰田で栽培した真菰で神衣を調製し、三神に着せ替えもうしあげる行事
・神馬(おめし)奉納神事(昭和45年9月21日 君津市指定文化財)
神主に選ばれた神馬が石段を駆け上がる勇壮な神事。その年の農作物の豊凶を占います
由緒・沿革
(参考:境内案内板、人見神社Webサイト、千葉縣君津郡誌下巻)
引用元:人見神社縁起
由緒・沿革
千葉縣君津郡誌下巻によると詳しい創建は不詳であるものの、社殿によると以下のように記されています。
奈良時代以前の孝徳天皇(596年~654年)の代に、日向国(現在の宮崎県付近)より勧請されたと伝わります。(別寺・青蓮寺「妙見縁起」)
または、近郷の大堀で太右衛門が草刈りをしていて妙見尊像を見つけ、獅子山に祀ったという「妙見隠し」の伝説も残されています。
平安時代の天慶三年(940年)に平忠常が上総介として赴任した際、武蔵国(現在の埼玉県、東京都、神奈川県の一部)より北辰妙見を上総、下総各地に勧請し、その中の代表的な神社が「人見神社」です。平忠常の祖父、平良文(千葉氏の祖)は東国へ下って妙見菩薩を祀るなど代々妙見信仰が篤かったといいます。
治承四年(1180年)石橋山の合戦に敗れた源頼朝は、内房に辿りつき舟で各所を巡る際、小糸川河口に着岸し、人見神社に武運長久の祈願文を捧げたと伝わります。
天正19年(1180年)徳川家康より良田五石の朱印の寄贈を賜る
元禄4年(1691年)当地方の領主、小笠原彦太夫より大刀の献納される。
寛政九年(1797年)領主小笠原兵庫と氏子との喜捨により社殿を造営。
明治七年(1874年)十二月、神仏分離の国策により郷社に列せられ、妙見菩薩は観音堂に祀る。
明治三十九年(1906年)神饌幣帛料供進神社(しんせんへいはくりょうきょうしんじんじゃ:県知事から祭礼に神饌幣帛料 を供進された神社)に指定される。
元は社殿に「波の伊八」の作といわれる荘厳な彫刻があったが、浮浪者の不審火により焼失。昭和46年(1971年)に社殿を耐震耐火構造で再建。
令和2年(2020年)6月社殿改修
公式ホームページ/SNS
境内案内
入口は国道16号線の「神門」バス停付近(左下の写真)。ここから200m先に最初の駐車場があります。(右下の写真)この駐車場にも停められますが、ここからの坂道は歩くのが少し大変なので、この先の駐車場に停めた方が楽です。
参道
左側の石段は境内への近道。右側は2倍位の距離があります。途中にはご神木があり注連縄がかけてあります。
展望台
本殿右側は展望台となっていて千葉眺望100景に選ばれています。手前が京葉工業地帯。天気の良い日は伊豆大島、三浦半島、富士山まで見渡せます。
生憎今日は大雨なので見晴らしは良くありません。展望台には「宮城遥拝標」が建てられています。宮城遥拝(きゅうじょうようはい)とは、皇居(宮城)の方向に向かって遥拝する場所のことです。
末社五社
本殿に向かって右側にある建物は末社五社。建立は昭和47年(1973年)。左から「春日神社」、「浅間神社」、「八幡神社」、「八雲神社」、「吾妻神社」
鳥居
笠木(一番上の水平な柱)、貫(笠木の下の水平な柱)、柱がすべて円形です。
鳥居の形状は「神明鳥居」に似ていますが、笠木(一番上の水平な柱)の切り口が斜めになっていて、貫の両端の上に四角形のものがあるので「神明鳥居」ではなさそうです。
「靖国鳥居」や「鹿島鳥居」とも違います。結局この鳥居の形状は調べてもわかりませんでした。建立も不明(写真を撮り忘れた)
奉納は君津製鐵所とあります。
手水舎/手水石
手水石の奉納は大正二年(1913年)八月廾二日。「廾」の字を調べてみると、音読みはキョウまたはク、訓読みはなし。類義語が廿(にじゅう)なので
1913年8月22日ということになります。
社務所
社務所の営業時間は9:00~16:00。御朱印、各種お守り、おみくじなどがあります。
ご朱印
二総六妙見 奉拝 人見神社と記されています。
拝殿と本殿
社殿は、令和2年(2020年)6月社殿改修。かつては波の伊八の作といわれる精巧な彫刻があったそうですが、不審火により焼失してしまったそうです。
本殿の屋根の千木(ちぎ)の切口は、地面に対して垂直に切られす「外削ぎ」。鰹木(かつおぎ)は5本です。
拝殿の向拝
現在向拝に目立った彫刻はありません。神額(しんがく)は、防衛政務次官 衆議院議員 浜田幸一とあります。
浜田幸一(通称:ハマコー)は、千葉県君津郡青堀町(現富津市)出身の政治家です。
観音堂
観音堂には、妙見菩薩が祀られています。明治時代の神仏分離の国策の際に建てられたようです。
常夜灯
年代は写真を撮り忘れたので不明。
狛犬
文化元年(1804年)秋奉納。
庚申塔
観音堂の右手前には古い手水石と庚申塔が置かれています。
納札所
神札、お守り、破魔矢、注連縄をお焚き上げする場所。
納札所裏の高台も見晴らしがよく、南房総の里山田園風景を一望できます。
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