妙覚寺【日蓮宗の巨刹】

2023年07月02日

広栄山 妙覚寺(こうえいざん みょうかくじ)

勝浦市興津(おきつ)の広栄山 妙覚寺は25ヶ寺の末寺を持つ日蓮宗の巨刹であり日蓮宗49本山に1つです。
 
インターネットで「妙覚寺」で検索すると「妙覚寺 解散」や「妙覚寺 事件」などが出てきますが、これは和歌山県の「明覚寺」のことです。この事件は、霊感商法で高額な金銭をだまし取り解散命令の判決が下されており、このお寺とは全く無関係です。

妙覚寺概要

【宗派】日蓮宗
【山号】広栄山(こうえいざん)
【本尊】
【御朱印】あり
【文化財】
 ・妙覚寺山門(勝浦市指定有形文化財 昭和四十七年二月八日指定)
 ・繋船柱碑(勝浦市指定有形文化財 平成十二年四月一日指定)
 ・植村土佐守泰忠定書(勝浦市指定有形文化財(書跡) 昭四十七年二月八日指定)
【由緒・沿革】(参考:境内案内板/妙覚寺パンフレット/Wikipedia/日蓮宗ポータルサイト)
広栄山妙覚寺は、鎌倉時代の文永十一年(1274年)年八月、日保(にほ)上人が建立しました。
 
興津城主の佐久間重貞は日蓮聖人の教えに帰依して出家して日円(にちえん)上人と号しました。更に重貞公は我が子の長寿麿を日蓮聖人の弟子として郷公日保(きょうこうにほ)という名を授けました。
 
また、重貞公の弟、竹寿麿も日蓮聖人の弟子となり寂日房日家(じゃくにちぼうにけ)と称しました。
両上人は日蓮上人誕生の地(現鴨川市)に法華経の道場を建てようと、協力して小湊誕生寺を創建しました。
 
誕生寺創建を機に日蓮聖人の二世は日家上人、三世は日保上人がつとめました。このことから興津妙覚寺と小湊誕生寺は両寺一根と呼ばれています。
 
妙覚寺の境内は1,300坪。金箔で書かれた法華経八巻、日蓮聖人お手植えの楠で作ったとされる木三体の御尊像が安置されています。
 
境内に仙台船をつないだ石柱が残っています。江戸時代の興津港は東北と江戸を結ぶ重要港で、同寺には仙台藩の役所が置かれ、入港船は必ず津料を納めました。

境内案内

広大な境内には、宝物殿、鐘楼、本堂、祖師堂、妙覚寺番神堂、山門などが建てられています。

宝物殿

境内入口にある白い建物が宝物殿。
宝物殿
 

鐘楼

鐘楼は、江戸時代後期の安政元・嘉永七年(1854年)建立。

【鐘楼】
鐘楼
【梵鐘】
梵鐘

本堂

Wikipediaによると江戸時代後期の文化十四年(1817年)建立とあります。
その後、再建や改修が行われていると思われますが、その年代については分かりません。
妙覚寺の本堂

繋船柱碑

本堂左側に建つ祖師堂前にある石碑は「繋船柱碑」。平成十二年四月一日に勝浦市文化財に指定されました。
 
(参考:境内石碑 総南文化研究会)
興津港は江戸時代に東北諸藩の廻米交易船の碇泊地や周辺沿岸の避難港として「興津千軒」の繁栄をもたらした要港でした。
 
穀倉を誇る仙台藩は、当地に陣屋を置いて連絡取締まりにあたりました。
この「繋船柱碑」は当時の仙台船によって運ばれてきたもので、石巻産の粘板岩(仙台石)です。
 
この石柱はかつては港の弁天橋磯際に十数本も並列していました。これに係留する船は金一朱(現代で5,000円程度)と御供物米二升、五百石以下は二百文を妙覚寺に納めていたといわれています。
妙覚寺の繋船柱碑

山門(仁王門)

<参考:境内案内板>
下の画像の「妙覚寺山門」は、勝浦市指定有形文化財(昭和四十七年二月八日指定)です。
 
大工棟梁の名前は判明しませんが、伝統ある夷隅大工の流れをくむものと想定されています。江戸時代末期の天保七年(1836年)に建設にかかり同十年(1839年)完成の記録があります。
 
入母屋造り、桟瓦葺き、懸魚(けぎょ)に孔雀の彫刻があります。枓栱(ときょう)間の蟇股(かえるまた)にも、牡丹、獅子と松に鶴などが用いられ時代色をよく表しています。
 
三間二面一戸の楼門、構造柱は直径三十cmにわたる大型の門です。
山門(仁王門)の中には仁王像が安置されています。
 
妙覚寺の山門

【仁王像(左)】
仁王像(左)
【仁王像(右)】
仁王像(右)

仁王門裏側
仁王門(裏)

番神社

祖師堂左側に鎮座する神社。夷隅郡誌によると江戸時代後期の天保十三年(1842年)建立とあります。
祭神は不明「番神社」で検索してみると1件もヒットしません。珍しい名前の神社です。
境内の神社

宝篋印塔(ほうきょういんとう)

墓地手前にある「宝篋印塔」は私が今まで見た中で最大級のものです。発起人や奉納者などの人名は所々読み取れますが、年代は読み取れません。
ご住職にもうかがってみましたが年代はわからないそうです。
宝篋印塔

御朱印

御朱印は、本堂右側の庫裏(くり)で頂けます。
「布曳祖師御安泰」とあるのは、文永時代(1264年~1275年)頃、興津周辺に疫病が流行した際、日蓮聖人が白布に南妙法蓮華経の文字を書き入れ、船に引かせて題目を唱えると疫病が収まったという言い伝えがあり、この白布が妙覚寺に安置されているということです。
御朱印

 


 

Webサイト/SNS

日蓮宗ポータルサイト広栄山 妙覚寺

詳細情報

名称

妙覚寺

住所

〒299-5245 千葉県勝浦市興津1195-1

お問い合わせ先

0470-76-0339

※スマートフォンの方は電話番号をタップで直接電話できますので、営業時間や定休日をご確認下さい。
また掲載されている情報はこの記事を掲載した当時の情報ですので、古い場合がございます。
お問い合わせの際は「『房総タウン』を見た」とお伝えください。

駐車場

あり

アクセス

JR外房線「上総興津駅」より約700m 徒歩約9分
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