春日神社(かすがじんじゃ)概要
【旧社格】旧村社
【祭神】天児屋命(あめのこやねのみこと)
【祭礼】9月最終日曜日 吉尾地区祭礼
【文化財】鞨鼓舞(かっこまい)
千葉県無形民俗文化財 昭和二十九年(1954年)三月三十一日
春日神社には「北風原(ならいはら)の鞨鼓舞」という神事が伝承されています。鞨鼓舞は農産物の水を確保するための「雨乞い」を目的とした農耕神事です。
鞨鼓舞の起源は不詳です。江戸時代までは水田耕作を行う多くの地域で継承されていましたが、現在、鴨川市では北風原と和泉の男金神社(おがなじんじゃ)の2区のみとなりました。
北風原の鞨鼓舞は毎年7月の第4日曜日に当春日神社と横尾区の請雨山(しょううさん)の愛宕神社の二カ所で一年交代で行われてきましたが、近年は春日神社の境内で行われています。
鞨鼓舞は三匹の獅子(雄獅子、雌獅子、中獅子)が腹につけた太鼓(羯鼓)をたたきながら踊って雨乞いをする神事です。
同神事は「北風原鞨鼓舞保存会」によって伝承されています。
参考:館山市神余り日吉神社鞨鼓舞の動画
【御朱印】不明
【由緒・沿革】(参考文献:吉尾のあゆみ)
「千葉県神社名鑑」によれば文治元年(1185年)に農耕灌漑の守護神として奈良県の春日大社の祀り五穀豊穣を祈願したと伝わります。
祭神の天児屋命は通称明神様と呼ばれています。アメノコヤネは中臣(なかとみ)氏の祖神とされ、宮廷の祭祀を役目とする神でありました。後に中臣氏から分かれた藤原氏の強大な権力を背景に、平城京の守護神として信仰され、各地に勧請されました。
境内案内
境内は入口に石灯籠はあり鳥居、手水舎、狛犬があり奥に拝殿と本殿が鎮座しています。本殿の右側にはクスの御神木があります。
鳥居
安房地方の中では比較的大型の両部鳥居です。
鞨鼓舞の案内板
常夜灯
参道入口の常夜灯。奉納は江戸時代後期の文化元年(1804年)です。
手水舎と手水石
鳥居の先にある手水舎。手水石の年代は風化して読み取れません。
狛犬
右側の狛犬は『参宮記念 昭和三年八月 昭和四年三月』とあり、それぞれ十数名の名前が列記されています。
右側の狛犬は『昭和十八年五月寄進』とあります。
拝殿
向拝に彫刻はありませんが、比較的大型の拝殿です。
左側が拝殿、右側が本殿。
御神木
樟(くす)の大木です。
周辺案内
■天澤寺
鴨川市北風原762 五代目波の伊八の彫刻がある曹洞宗の寺院
■ガラス工房アルコス
鴨川市北風原753-6 里山にあるガラス工房。工房見学、工芸体験ができます。
■お食事処舫(もやい)
鴨川市北風原150-1 定食・ラーメン・ピザの店