安岡神社(やすおかじんじゃ)
鋸南町小保田の安岡神社には、「後藤義光」の師匠である「後藤恒俊」の彫刻があり、鋸南町文化財(平成十六年一月二十三日)に指定されています。
【祭神】大山祇命(おおやまつみのみこと)
【祭礼】9月第2土曜日
【由緒】(境内の案内板より)
安岡神社は元は山神宮(さんじんぐう)と言い山の神の小祠でしたが、元禄九年(1696年)現在地に移し社殿を造営。小保田村の鎮守として創建されました。文政七年(1824年)社殿を再建した時、彫刻を担当したのが、後藤三次郎恒俊です。
後藤三次郎恒俊は、江戸京橋の宮彫り士で、後藤家五代後藤茂右衛門正綱の筆頭門人。当時後藤流は房総の寺社彫刻にたずさわることが多く、恒俊は御嶽神社(館山市山本)や誕生時祖師堂などの彫刻も手がけています。
社殿正面左右脇の間の彫刻は黄石公(こうせきこう)、張良(ちょうりょう)、巨霊人(きょれいじん)、玉巵弾琴(ぎょくしだんきん)の中国の故事、仙人の彫刻が四面。正面扉の唐獅子、向拝の装飾彫刻など、恒俊による肉厚で精妙な後藤彫りの源流を示す貴重な作例です。
漢の高祖劉邦(りゅうほう)の軍師となる張良が若き頃、橋の上で馬上の老人(黄石公)の落とした履(くつ)をささげ、兵法書をさずかる逸話が黄石公と張良の履脱ぎの故事。巨霊人は常に白虎を愛した大力の仙人。玉巵は仙女西王母(せいおうぼ)の娘で白龍に乗り四海を周遊したと言われます。
- 鋸南町教育委員会 -
安岡神社の祭礼は毎年9月の第2土曜日。祭礼の日には参道に大きな幟が立てられます。
鳥居
鳥居は明神系です。
周辺には駐車スペースがほとんどありません。
手水舎と常夜灯
後藤恒俊の彫刻