南房総市の「かねす寿司」は冬場のカジキを使った寿司が名物のお店です。以前に漫画の美味しんぼで旬の時期のカジキは絶品というのを読んだことがあって、ずっと食べてみたいと思っていました。
ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑マカジキによると「古く関東では赤身の刺身では、もっとも人気の高い魚だった。特に冬に千葉県などで行われている突きん棒漁で上がったものは人気があって高級料亭などで出されていた。築地などには毎日のように入荷してくるが量は少ない。かなりの高級魚。なんと言っても刺身にして最上級の味わい。信頼のおけるカジキ類を扱う店で買い求めたものは素晴らしい。」とあります。
そこでカジキを出す店を探していて、この動画を見つけたのです。
Youtube 千葉・南房総 かねす寿司
この動画を見たら食べずにはいられません。早速かねす寿司に行ってみましたが暖簾が下りていません。それから、和田を通るときは必ずかねす寿司をチェックするようになりました。営業時間を調べて何回も行ってみましたが結果は同じ、10回以上は行きました。そこで電話を架けてみることにしました。「かじきを食べてみたいのですがいつ営業していますか」『今は出前が主なのでお店はあまり開きません』とのこと。まさか和田から館山に出前してもらう訳にもいかないので、テイクアウトで頼むことにしました。
今、和田漁港でカマスが釣れているという情報が入ったので見学に行ってみました。型は良く25cm以上が一人20匹くらい釣れています。小さいながらタチウオも釣れています。見学を終えてかねす寿司に立ち寄ってみました。
かねす寿司は和田漁港前にあります。近くに行ってみると暖簾は下りていません。引き戸を開けてみると中に人がいます。かじきを食べてみたいと話すと、今日はカジキの良いのがあるけど、他のネタがない。と言われましたが、何年も前からかじきを食べてみたいと思っていたことを話すと、12時過ぎなら作れるということで、作ってもらいました。
かじきの寿司
これが念願のかじきの寿司です。見た目はマグロに似ていますが、マグロよりオレンジががった色です。
テイクアウトなので和田漁港の前のコンクリートをテーブル代わりにします。今日は富津の創業180年以上の宮醤油に行った帰りなので、宮醤油を使います。
味はマグロのトロに似ています。噂通りの味で口の中で脂が溶けていきます。旬(11月~2月)のマカジキはマグロより美味いという人もいます。
私は最高の本マグロと比べると本マグロに軍配をあげますが、かじきもかなりの美味さです。
板長によると「カジキは季節によって味の差が大きい魚で、夏場などは味が落ちて売値が下がるので漁師も獲らない。今、マグロは漁獲高に制限があるのでマグロの漁獲高を超えるとカジキ漁に切り替える。冬場のカジキは味がよく、価格も上がる」
宮醤油で金山寺味噌も買ったのでこれも試してみます。
寿司の上に味噌を少しのせてみます。これは・・・美味い!。甘味のある味噌がかじきの味を引き立てます。
中寿司
中寿司はかじきが2貫入ります。上寿司はかじきの代わりにマグロが入るそうです。
今日のネタは玉子、生エビ、ホタテ、カジキ2貫、イカ、イクラにカジキの巻物です。
ネタとシャリは大き目で、房州寿司と江戸前寿司の中間くらいの大きさです。
かじきとは
カジキは「カジキマグロ」とも呼ばれますが、カジキとマグロは別の科であり「カジキマグロ」は俗称です。
マグロはズズキ目サバ科で、カジキはスズキ目マカジキ科とメカジキ科に大別されます。(場合によりサバ亜目やカジキ上科に含めたりする)
全世界に10~12種類が生息し日本近海にはにはメカジキ、マカジキ、バショウカジキ、フウライカジキ、シロカジキ、クロカジキの6種類が生息しています。
カジキは最も早く泳ぐ生物とされ、ギネスブックに記載されています。全長4m、体重700kgに達する大型の肉食魚で気性が荒く、ボートや潜水艦などを攻撃することもあるといいます。
食用として価値が高いのはマカジキとメカジキで、旬のマカジキは最上級の味わいとされています。
下の写真は小浦漁港で水揚げされたバショウカジキです。
詳細情報
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