アワビとは
海の高級食材として知られるアワビはミミガイ科の巻貝です。2018年日本全国のアワビの水揚げ量は岩手県がトップで全国で18%、次が千葉県の11%、宮城県9%となっています。
日本で水揚げされるのは主に『クロアワビ』、『メガイアワビ』、『マダカアワビ』、『エゾアワビ』の4種類。この中で千葉県で水揚げされるのは『クロアワビ』、『メガイアワビ』、『マダカアワビ』の3種類。この中でマダカアワビは最も高価な種で、水揚げの減少が著しく幻のアワビとなりつつあります。知り合いのお寿司屋にマダカアワビについて聞いたところ、今では予約しないと買うことができないといっていました。
アワビは年々数が減少しており禁漁期間が設けられています。漁期は地区により違いがありますが、5月上旬から9月上旬です。
クロアワビ、メガイアワビ、マダカアワビの特徴
クロアワビ | メガイアワビ | マダカアワビ | |
---|---|---|---|
別名 | オンガイ、オガイ(雄貝) | 赤アワビ、メンガイ(雌貝) | ビワガイ |
分布 | 茨城県・千葉県・静岡県~九州各地 | 同左 | 同左 |
生息水深 | 2m~7m | 7m~15m | 15m~20m |
大きさ | 15cm程度 | 20cm程度 | 30cm程度 |
食感・料理 | 堅く歯ごたえがあり刺身に向く | 柔らかく火を通す料理に向く | 同左 |
外見 | 殻はやや細く裏側は黒緑色 | クロアワビより丸みがあり殻や身は赤褐色 | 殻に高さがあり30cm程まで成長する |
市場価格 | 12,000円/kg~ | 8,000円/kg~ | 18,000/kg~ |
アワビとトコブシの違い
アワビに似ているのがトコブシ(床伏)どちらもミミガイ科ミミガイ属の貝です。
左がメガイアワビで右がトコブシ。この写真では分かりませんが、大きな違いは貝殻にある呼吸孔(丸い穴)の数。アワビは4~5個、トコブシが6~9個です。
トコブシは生では柔らかく、火を通すと堅くなります。
私はアワビとトコブシを同時に食べ比べたことがなく、それほど違いはないのでは?と思っていたので、今回は同時に食べてみることにしました。
左2つがアワビ、右がトコブシ。
アワビの下ごしらえ
最初にアワビを殻から外します。スプーンやヘラを使って殻に沿って丁寧に切り離します。この時、肝を傷つけないように。ゆっくりとやれば意外と簡単です。
次に肝と身を分けます。身は塩を振ってタワシで汚れやぬめりを取り除き、最後に塩を洗い流します。身の先端の硬いくちばしを包丁で切り落としで下ごしらえは完了。
肝の横には砂袋というザラザラした部分があるので、包丁で切り離します。
アワビを刺身で食べる時は塩を多めに振るほど身が締ります。
アワビ料理
刺身
一般的にはクロアワビを使います。コリコリとした食感と磯の風味が持ち味です。醤油に肝を溶いて肝醤油で食べるのがおすすめ。
水貝
食通で知られる北大路魯山人の好物。夏にピッタリの逸品。薄い塩水または水に氷を入れ角切りまたはスライスしたアワビを入れます。
あわびのすり流し
この料理はずっと食べたいと思っているのですが、食べたことはありません。
<材料>
・アワビ(雌)
・昆布ダシ
・長芋
・薄口醤油
<調理手順>
1.アワビをすりおろす
2.長芋をすりおろす
3.すりおろしたアワビに長芋とダシを少しづつ入れすり鉢ですりおろす。
4.冷蔵庫で冷やしてから食べる。
あわびの塩辛
これは日本酒にピッタリ。アワビの肝をタタキ身と混ぜて塩を入れるだけ。肝だけでも美味しい。
アワビの肝は鴨川市のかねしち水産で売っています。
かなりの量が入っていて1000円位だったと思います。肝は深いコクがあり、パスタのソースなどにも使え重宝します。
実際に何品か自分で作ってみました。
アワビの肝バターソティー
1.アワビをバター焼きにする。(酒と醤油を少し入れる)
2.アワビを取り出し、フライパンに肝入れ加熱する。
3.アワビを切り肝ソースをかける。
これは至福の味!
アワビとトコブシの酒蒸し
酒蒸しは店によって作り方が違いますが、ここでは銀座渡利の作り方を参考にします。
1.蒸し器に水を入れ湯を沸かす。
2.アワビに酒を振りかけ昆布をのせる。
3.1時間から2時間蒸す。
左がアワビの酒蒸し肝ソース。右はトコブシの酒蒸しウニソース。
食べる前はアワビとトコブシはそれほど違いはないと思っていましたが、食べ比べてみるとはっきりと違いがわかります。
どちらも活きを使っているのに食感がかなり違います。
アワビの方は柔らかくしっとりとしています。トコブシは硬く少しパサついています。