館山の老舗カフェ 珈琲館サルビア

2016年12月04日

本日おじゃました珈琲館 沙留美亜(サルビア)は1971年にレストランとして創業された南房総でも老舗のカフェです。
 
当時は洋食の店が少ない時代で、館山駅前のにぎわいも手伝って多くのお客様にご来店いただいたそうです。
その中で
『締めくくりのコーヒーも料理なのだから、もっと美味しいものをお出ししたい』
という思いから自家焙煎珈琲(じかばいせんコーヒー)を始めたそうで、焼きたての豆から淹れたてコーヒーを提供し、それにともない豆の販売も始めたのだとか・・・
 

 
その後、現在の場所に店舗を構えレストランからコーヒー専門店になっても『もっと美味しいコーヒーをお出ししたい』という思いは変わっていないのだそうです。
 
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・外観
ウッディーな店内は落ち着いた雰囲気で、ゆっくりとコーヒーを楽しむことが出来ます。
 
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・お食事
ホワイトルーから作るエビグラタン(写真右上)は創業当時から変わらない定番メニューだそうで、本日のおすすめケーキ(写真左)やフワフワの厚切りフレンチトースト(写真右下)なども人気メニューだそうです。
 
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒーカップ販売1
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒーカップ販売2
店内では全国の窯元から取り寄せられたコーヒーカップが、常時500客程度展示販売されておりサルビアの独特な雰囲気を醸し出しています。
2階ではステンドランプも展示販売されています。
 
 
※店長にうかがったサルビアコーヒーの美味しさの秘密
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒー豆

仕入~素材へのこだわり

コーヒーは、ショ糖、クロロゲン酸、アミノ酸など、コーヒーが持つ成分と、適切な温度と時間での焙煎による化学反応が織りなす芸術品なのだそうです。
 
その最も重要な要素「素材選び」において、最近は「奇抜味」が多くなってきているオークションや品評会などの上位品目ではなく、素材のもつ成分の量、豆の粒の大きさ、産地の高度、栽培技術、製造技術などのレベルの高い商品をメインに輸入しているのだそうです。
また固定された農園からではなく、その年に質の高いコーヒーを栽培している農園から目的の銘柄を輸入することにより、毎年質の高いコーヒー豆を供給・販売できるようにされているそうです。
 

良質なコーヒー豆とは(成熟度)

成熟度が高い良質なコーヒーは、コーヒー主成分のショ糖、クロロゲン酸、アミノ酸の含有率が高いのだそうです。
さらにクロロゲン酸にはモノクロロゲン酸とジクロロゲン酸があり、成熟度が高ければモノクロロゲン酸の割合が高くなります。
成熟度が高い良質な生豆を適切な温度で適切な焙煎をすると、これらの成分が化学反応して濃褐色のきれいなコーヒー色、深い味わいと香り、良質な酸味となります。
成熟度が低い生豆だとこれらの成分が少ないため、適切な温度帯での適切な焙煎をしても、きれいなコーヒー色にならず、渋みや不快な味わいと酸味になってしまうのだそうです。
無理に成熟度が低い生豆を一般的なコーヒーの色に仕上げるには、焙煎度合いを強めて『炭化』させて色を付けなくてはならず、何となく香ばしさはあるけれど深い味わいが無いコーヒーができてしまうのだとか・・・
 
コーヒーの成熟度は美味しいコーヒーにはとても重要なものだそうです。
 
 
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒーロースター1
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒーロースター2
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒーロースター3

焙煎~ロースターの改良

サルビアでは「10kg直下式ロースター」というロースターで焙煎しています。
10キロ未満の小型のロースターだと窯(かま)の蓄熱(ちくねつ)が弱く芯まで焼ける前に表面が焼けすぎてしまい、10キロ超の大型のロースターでは、逆に窯自体が大きすぎて蓄熱が足りず香ばしさが低くなってしまうので、試行錯誤の末10キロがベストという結論に至ったのだそうです。
 
また店長いわくサルビアのロースターには独自の改良を施しているそうで、ガスバーナーやバーナーの台を独自に作製し、焙煎する品目ごとに数種類のガスバーナーを使い分けて焙煎しているそうです。
吸気口と排気口にもオリジナルの煙突を作成し経口(けいこう)や長さや曲がり具合なども日々研究を重ねているのだとか・・・
もはや「執念」じみたものすら感じます。
 

ロースト(焙煎)について

店長いわく、豆のもつ成分と熱での化学反応が織りなす芸術のロースト。
水分状況や温度や湿度なども考慮しつつ同じ品目のコーヒー豆でも、その日の状態で単位の調整しながら焙煎しておられるのだそうで、温度帯も150度ぐらいから始まり、18分~20分かけて200度ぐらいまでじっくりと温度を上げながら焙煎するのだそうです。
 

ブレンド(配合)について

「ブレンドコーヒーを作る目的は、ストレート(単品)では絶対に出せないオリジナルの味を作る事が目的」と店長さんはおっしゃいます。
サルビアでは香り、酸味、苦み、コクなど全ての調和のとれた傑作を作るために以下の配合をしておられるそうです。
 
1、ベースとなる豆 味料理で言うとブイヨンでいろいろな味のつなぎ役となります
 
2、酸味を出す豆 焼きが浅い状態での酸味はあまりおいしくないので、ある程度焙煎をしても酸味が出せる豆を使用し、酸味はうま味を引き立たせます。
 
3、苦みを出す豆 焼きが強い状態での苦味は全体のバランスを壊すので、ある程度の焼でほのかに広がる苦みを出せる豆を使用し、最初に飲んだ時にくる苦みをソフトに仕上げます。
 
4、深味を出す豆 コーヒー全体の深味(コク)を出す豆を全体の調和を崩さないような豆を使用し重厚感を出します。
 
5、調整する豆 これもベースに準ずる豆ではありますが、全体を最終的に整えるのに重要な豆です。
何が重要かと言いますと、農作物であるコーヒーも常に同じ味ではありません、多少酸味が強かったり弱かったりなどします。配合を単純に味の足し引きで行うと、同じにならないので調整用の豆で微調整して仕上がりを同じ味にします。 こうしてブレンドを1年間通じて同じ味に仕上げています。
 
 
缶コーヒー用の豆、大量生産の配合にこだわりのないレギュラーなどは、全てを生豆からブレンドして同時に焼いてしまうミックス焙煎を採用しているところもあるのだそうですが、店長さんいわく、サルビアのブレンドコーヒーはその豆ごとにベストな仕上がりがありますので、個別に焙煎しているのだそうです。
 
また同じ種類の豆であっても、収穫される木の育成年数や時期や水分量などで焙煎時間が異なるため、味も全く同じではないので、秒単位での焙煎時間を調整して同じ味に仕上がるようにしているのだそうで、配合の調整と合わせて同じ味に仕上げるそうですから、その技術とこだわりに執念を感じます。
 
 
房総館山・老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒー豆の餞別1
老舗コーヒーショップ・サルビア・コーヒー豆の餞別2

精製~欠点豆のハンドピック

ハンドピックという作業は豆の選定のことで、言葉としては一般的ですが、サルビアではハンドピックする基準をかなり厳しくしているそうです。
微妙に豆の端が黄色い豆、表はしっかり焼けていても裏が焼けすぎている、焼き斑のある豆など完全にハンドピックします。
まず色彩選別機で大まかに選別して仕上げはしっかりと一粒一粒目で確認しながら人の手で取り除きます。
 
欠点豆が限りなくゼロに近いので、しっかりとした深い味わいでいて、スッキリとした飲み口のコーヒーに仕上がります。
また欠点豆がないということで時間の経過での劣化速度が遅く、サルビアのコーヒーは、40日程度は美味しいコーヒーを楽しめるのだそうです。
逆にしっかりと焼けていなかったり、焼き斑が多い豆は劣化速度も速いので賞味期限が短くなるのだとか・・・
 
 
こんなこだわりのコーヒーショップは、都会でもまず見かけることはできないです。
コーヒー好きにこそぜひともお勧めしたい、憩いのブレイクタイムを提供してくれる老舗のコーヒーショップさんです。
 

記事中写真は全てサルビア様からお借りしています

 
テイクアウトOK!
館山テイクアウト広場 take outメニュー
 

詳細情報

名称

珈琲館サルビア本店

住所

千葉県館山市北条2576

お問い合わせ先

0470-23-2341

※スマートフォンの方は電話番号をタップで直接電話できますので、営業時間や定休日をご確認下さい。
また掲載されている情報はこの記事を掲載した当時の情報ですので、古い場合がございます。
お問い合わせの際は「『房総タウン』を見た」とお伝えください。

ホームページ

営業時間

10:30 ~ 19:00

駐車場

あり(店舗目の前だけではなく、はなの舞(シダックス)となりの線路沿いにも複数台停められる駐車場があります)

座席数

1F
ボックス席4席×5
カウンター7席
2F
10席

アクセス

JR内房線館山駅から徒歩5分
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