
久枝 天満神社(くし てんまんじんじゃ)
南房総市久枝の「天満神社」は、旧久枝村の村社です。8月下旬に執り行われる岩井の祭礼では、当社を初め周辺地区の12台の屋台引き回しが行われ大変賑わいます。
天満神社概要
【旧社格】
旧久枝村の村社
【祭神】
<主祭神>
・菅原道真(すがわらのみちざね)
<相殿神>
・天照大神(あまてらすおおみかみ)
・誉田別命(ほんだわけのみこと)
【祭礼】
岩井地区祭礼 毎年8月の20日過ぎの土曜・日曜
<岩井区>
・久枝 天満神社 久枝626-2
・市部 天満神社 市部325
・二部 松尾神社 二部1532
・竹内 八雲神社 竹内128
・合戸 八幡神社 合戸506
・宮谷 八雲神社 宮谷346
<高崎区>
・小浦 神明神社 小浦415
・浜下 岩井神社 高崎905
・出口 同上
・岡 同上
・下里松 同上
・本町 同上
【御朱印】
神主非常駐 調査中
【社宝】
神像七体
1.木造天神立像 弘化4年(1847年)8月
2.木造天神立像 明治25年(1892年)
3.銅造天神坐像 天正12年(1923年)
4.木造神像 像名その他不詳
5.木造神像 全体が焼け焦げ炭状
6.木造八幡立像 大正12年11月 後藤義信作(74歳)
7.木造大黒天像 他社より遷し祀られたか
【由緒・沿革】(参考文献:富山町史 通史編)
当神社はその昔「天神宮」と呼ばれ天神山(現:岩井袋野球場横天満山)の中腹、字山岸904番地に鎮座していました。太平洋戦争中にこの付近一帯に旧日本軍の軍事基地が建設され、軍の命令に取り壊されました。
昭和18年(1943年)現在地に新社殿の造営工事が始まり翌19年完成、神霊を移転奉斎したのが現在の「天満神社」の始まりです。
造営は当時の宮大工、高崎の青木友次郎を棟梁として、地域の大工職人が総がかりで建設に当たりました。
屋根は三州瓦(現愛知県産)、羽目板は尾州(現愛知県西部)産の尾州檜を使用しました。
旧社の創建は明らかではありませんが、当社の古文書「書上扣(かきあげのひかえ)」(旧富浦町愛宕神社の神主田代正満家文書)安土桃山時代の天正十八年(1590年)によると、「房州平郡久枝村、天満宮山林、別当、満蔵院」とあり天正十八年以前の建立と考えられています。
後、江戸時代前期の元禄九年(1696年)「藪御改之帳」(久枝区有文書)には「一、壱反五畝歩程、大松弐本。小松有、天神山」とあり、境内には「秋葉大権現、牛頭天王、疱瘡神」が祀られていたと記されています。
これらの石宮は現在の境内に移されています。なお、元の境内跡地には、前宮司(川崎重彦)の懇請により石祠と石碑が建てられています。
明治九年(1867年)久枝村の村社に指定される。
昭和十九年新社に移転、同二十七年字五反田「八幡神社」字竹之下「神明神社」を合祀。
【合祀神社】
・八幡神社(無格社)久枝603番地
明治元年の神祠廃合により天満神社の末社に指定され、昭和二十七年に合祀
・神明神社(無格社)久枝410番地
明治元年の神祠廃合により天満神社の末社に指定され、昭和二十七年に合祀
・稲荷社 久枝502番地
当時は久枝村と不入斗(現高崎)の境界の岩井川の川べりに建てられていた。
境内案内
境内は浄土宗の寺院蓮台寺の隣に鎮座。
参道入口左に三基の石祠、一の鳥居、右側に屋台小屋、その先に手水舎、二の鳥居、石灯籠、狛犬があり、最後に拝殿と本殿が鎮座しています。
一の鳥居
境内には鳥居が二基建てられています。形状はどちらも靖国鳥居。竣工は平成十年八月吉日。
石宮
参道入口左の三基の石宮。平成二十五年八月九日建立とあります。
文字などは確認できませんが、明治時代に合祀された「八幡神社」、「神明神社」、「稲荷社」のものであるかも知れません。
比較的新しいので、途中で建てなおされたようです。
手水石
元の神社から移されたものです。安政三年(1856年)石工助三郎とあります。


常夜灯(石灯籠)
砂岩で風化し文字はほとんど読み取れませんが、富山町史によると江戸時代初期の天保十四年(1843年)製、前の神社から移されたものです。


屋台小屋
岩井の祭りに出祭する屋台が納められています。
天満神社の屋台
狛犬
狛犬も元の天神山から移されたものです。江戸時代初期の安政四年(1857年)。石工 井野助三郎、井野藤吉。


末社
参道右側の末社。
常夜灯(石灯籠)
拝殿前の常夜灯。風化はそれほど進んでいませんが、年代は読み取れません。


拝殿
昭和十九年(1944年)に建てられた後、改修や再建があったのかどうかは確認できませんでした。
今まで安房地方の神社に2千社ほど行きましたが、このタイプの彫刻を見たのは初めてです。
何の彫刻なのか? 近くに行ってみます。
向拝の彫刻
これは牡丹でも蓮でもなく梅の木です。これはやはり珍しい。彫工師は分かりませんでした。
拝殿と本殿
拝殿裏は本殿です。
詳細情報
名称
住所
お問い合わせ先
※スマートフォンの方は電話番号をタップで直接電話できますので、営業時間や定休日をご確認下さい。
また掲載されている情報はこの記事を掲載した当時の情報ですので、古い場合がございます。
お問い合わせの際は「『房総タウン』を見た」とお伝えください。