久根崎善次朗商店(くねざきぜんじろうしょうてん)
鴨川市前原の久根崎善次朗商店は創業120年の鰹節の製造・販売店。鰹節の他にも房州ひじき、地魚の干物などを製造販売する海産物問屋です。
店名の久根崎は全国では珍しい苗字。日本姓氏語源辞典によると全国で約120名、市町村別では鴨川市がトップで約30人となっています。
近年フルネームの店名は少ないですが、私はこの店名が気に入り来店してみました。
店舗は安房鴨川駅東口より加茂川橋方面へ、徒歩12分。駐車場は店舗向いです。
店舗左側は干物コーナー。鴨川港で水揚げされる、金目鯛、鯵、うるめ鰯など無添加の自家製干物を販売しています。
今ではめったに見られなくなった鰹削りと煮干の量り売り。
ずっしりと重みのある厚削りは、かつお節を厚く削った削り節。濃厚なダシがとれ、めん類のつゆを作るときによく使われます。
こちらは昆布、めかぶなの海藻類のコーナー。右下の「宗田節(メジカ節)」はソウダガツオの鰹節。ソウダガツオは鰹に比べ血合いが多いためコクのある濃厚なダシがとれます。煮物、蕎麦店など業務用として利用されます。
房州ひじきやおつまみのコーナー。
イカをのして甘く味付けした「黄金いか」。美味しそうなので購入しました。
家に帰って食べようかと思いましたが、我慢しきれずに車の中で全部食べてしまいました。欠点は手がベトベトになることです。少し食べて手を洗い、しばらく我慢していますが、また食べてしまう。こんなことを数回繰り返しました。やめられない止まらない癖になる味です。
鯛みそは鯛のそぼろと味噌を合わせた房州の名産品。ご飯、おにぎり、酒のつまみにぴったりです。
房州の鰹節の歴史
鰹節の歴史は古く、現代の鰹節に近いものは室町時代が始まりとされ、江戸時代になると燻製法やカビ付けを行う枯節などの製法が考案されました。江戸時代に土佐藩では鰹節の製法は秘伝とされていましたが、安永10年(1781年)に「土佐与一」が鰹節の製法を伝え、房州節の評判は紀州産の鰹節と肩を並べるほどになったといいます。
土佐与一は30歳頃から南朝夷の人に鰹節作りを教え、58歳でカゼをこじらせ他界。墓は南房総市千倉町の東仙寺にあり、南房総市文化財に指定されています。土佐与一の墓
鰹節の種類
鰹節を大別すると荒節(あらぶし)と枯れ節(かれぶし)2種類。枯れ節は荒節をカビ付けしたもので、本枯れ節はカビ付けと天日干しを2回以上繰り返して作ります。荒節は色が黒っぽく、やや雑味は残りますが、パンチのあるダシが取れます。枯れ節や本枯れ節は高価ですが、吸い物、茶碗蒸しなどに使われ、雑味のないコクのあるダシが取れます。
今日のおすすめ商品は店内の白板に書いてあります。
■久根崎善次朗商店Twitter
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