庤神社(もうけじんじゃ)
鴨川市西町の庤神社は「千葉県神社名鑑」によると祭神は
庤神社概要
【社格】旧村社
【祭神】
・大日孁女貴(おおひねめのむち)天照大神の別名
・天日和志命(あめのひわしのみこと)忌部氏の祖神
【祭礼】東条地区祭礼 10月中旬
・西町 滝口庤神社
・和泉 男金神社
・東町 八幡神社
・八坂 八坂神社
【由緒・沿革】参考文献:房総の伊勢信仰、東条のあゆみ、鴨川市史(通史編)
「千葉県神社名鑑」によると創立年代は不詳なれど往古の創建。治承四年(1180年)に源頼朝が安房に逃れ当社に平家追討の祈願を行い、後に祈願成就としてこの地を伊勢神宮に寄進し、
鴨川市天津の天津神明宮が、源頼朝によって建てられる前にも庤明神の祠があったとされています。祠の起源は不明で神代の昔よりあったとされ、祠には現在も八重事代主人が祀られています。八重事代主人が事勝長狭命を誘い、この地に長い間滞在した際、地域が大変潤ったため地域の人々は喜び感謝して「思いもよらぬもうけかな」として庤明神として祀ったのが始まりとされています。
安房誌によると、庤明神の祠は東條の西村(西町の滝口庤神社)にもあり、「東監に謂(い)う庤社は東條の西村なるか天津なるか詳かならず」と記されてあり、その正当性をめぐって論争が巻き起こっていたこともあるようですが、現在は議論も落ち着き和合の道をたどっているそうです。
境内案内
神社入口には供進社指定村社庤神社の石碑があり、鳥居の先に常夜灯、狛犬、手水舎、拝殿、本殿が並びます。
「供進社」とは、明治から終戦にかけて、祭礼の際、県知事から神饌幣帛料を共進されることが認められている神社です。
鳥居は昭和五十四年(1979年)十月吉日建立。形状は靖国鳥居。
東条御厨跡
鳥居の手前にある「東条御厨(とうじょうのみくりや)」の説明が立っています。御厨は神饌を収める場所のこと。「吾妻鏡」に寿永3年(1184年)5月3日東条御厨であると推定されています。源頼朝が伊勢神宮に寄進して御厨の地としたと伝わります。(房総の伊勢信仰)
常夜灯
かなりの月日を経ていて年代は読み取れません。
狛犬
狛犬は2対あります。手前の狛犬は新しく、平成五年建立。
手水石
手水舎の屋根は重厚な造り。手水石は年代不明。
古い狛犬
年代は彫ってありますが正確には読み取れません。江戸時代の寛政年間の建立。
拝殿
作成年代は不明
拝殿向拝には龍の彫刻がありますが、彫工師は彫ってありません。
拝殿には「瀧口庤明神」の神額があります。
右が拝殿、左が本殿。
マルバチシャ
神社入口にはあまり見かけない青い実が成っている木があります。家に帰って色々と調べてみましたがどうしても分かりません。もう分からないと思ったいましたが、天津神明宮に千葉県天然記念物に指定されているマルバチシャという木があったのを思い出し調べてみると一致しました。この木は比較的個体数が少なく房総半島の鴨川市周辺が北限とされています。10月頃実は黄色くなり食べられるそうです。若葉はレタス(チシャ)に味が似ていると言われていますが食べたことはありません。