人丸神社(ひとまるじんじゃ)
南房総市明石の人丸神社は、安房地方では珍しい柿本人麻呂を祀る神社です。播州明石(兵庫県明石市)の人麻呂神社と関係があると思われてます。房州に人麻呂が来たとは考えられないのにどうして遠い安房の地に勧請されたのかは明らかではありません。しかし、明石という地名や、氏子に磯辺、礒辺、瀬戸という苗字が多いことから兵庫県明石市の勧請は偶然ではないと考えられます。
【祭神】柿本人麻呂
【由緒】詳細は不明ですが、棟札が何枚か残されています。(参考文献:三芳村史)
1.造立一字
表:延享四丁夘(1747年)八月吉日 宥範
裏:宝珠院二十七世法印敞海旹(とき)元分六年(1741年)辛酉二月八日
2.大明神一字
領主坂部弥太郎 元文六年(1741年)辛酉二月八日
3.御神体社頭一字
宝暦九己夘天(1759年)正月十二烏(日の義)
4.再建
寛政三辛亥(1791年)九月吉祥日 大工藤兵衛 木挽与平次
5.別当寺極楽寺法印運悟
文化十三子年(1816年)九月十八日
6.鳥居一基建立、嘉永五壬子(1852年)四月十八日 名主啓蔵
人丸神社は入口がとても分かりづらいです。人丸神社の存在自体は知っていましたが、入口が分からないので、いつの間にか存在を忘れていました。
今回再挑戦してやっと入口を見つけました。
左下の画像が入口で、ここから拝殿までは200m位なのですが、鳥居も見えない岡の上なので相当長く感じます。
岡に沿って細い道を登って行くと石段が見えてきます。参道や拝殿は深い森の中にあり、周囲からは見えません。
鳥居
鳥居はコンクリートの神明系。昭和三年製です。この鳥居の柱は太く重さがるのにここまで人力で運んだのでしょう。
拝殿
拝殿と本殿は一体となっています。
拝殿の壁には絵馬が多く奉納され、ほとんどが合格祈願祈願です。人気の少ない小さい神社ですがこれほどの絵馬が奉納されているところを見ると、地元では有名な合格祈願にご利益がある神社なのかも知れません。
宝篋印塔(ほうきょういんとう)
拝殿右側には宝篋印塔が建っています。文字は刻まれていますが年代の部分は風化が激しく読み取るのが容易ではありません。文応(1260年~1261年)と刻まれているように見えます。
手水石
手水石も文字が読み取れません。
拝殿から見た参道。参道は深い森に囲まれています。