サイドメニューアイコン
トップスライドアイコン

館山・南房総ポータルサイト 房総タウン ページロゴ

忽戸漁港の伊勢海老漁【ガナゾーを食べてみた】

伊勢海老の水揚げの様子

忽戸漁港の伊勢海老漁(こっとぎょこうのいせえびりょう)

 
房総半島は寒流(親潮)と暖流(黒潮)がぶつかりあいプランクトンが増殖するため、昔から豊かな漁場として知られています。このような海域で育った房総の伊勢海老は身が引き締まり甘みが強いのが特徴。千葉県は三重県と並び全国でもトップクラスの漁獲高を誇り、両県合わせると全国の漁獲高の40%を占めます。
 
今日は海の高級食材である伊勢海老漁の様子を見学しに千倉町の忽戸(こっと)漁港にやってきました。
しかし、今日の本当の目的は伊勢海老漁ではありません。
 
以前、海の「オニヤドカリ」を食べる地域があり、『食べたあとに水を飲むと水が甘く感じる』とか『食べたあとに煙草を吸うとおいしく感じる』を本で読んだことがあって、ずっとそれを実験したいと思っていました。
 
オニヤドカリはイシダイ釣りのエサとして知られていますが、三重県や神奈川県三浦半島など一部の地方では食用とされています。
かつて、三浦半島の城ヶ島ではヤドカリの一種『アマガニ』や海のギャング『うつぼ(ナマダ)』を使って地域活性化につなげようと試食会が行われたそうなのですが、その後どうなったのかは知りません。
 
「オニヤドカリを食べてみたい」とずっと思い続けていたのですが、飲食店や市場で販売されているのを見たことがありません。どうやって入手すれば良いのかわからず、とりあえず千倉のKen-Arai氏に相談すると『ああ、ガナゾーのことね。オレは気持ち悪いから食わないけど、親は好きだよ。みそ汁のダシにして飲んでる。ガナゾーは伊勢海老の網に掛かるから、漁に来れば貰えるよ。朝5時に忽戸の港に来なよ』。これで永年の思いが一気に解決しました。
この地域ではオニヤドカリのことを『がなぞ』『がなぞう』と呼んでいるようです。
 
伊勢海老漁の作業風景
 
伊勢海老漁は日の出前から準備が始まり、日の出の頃網を揚げに船が出ていきます。
 
忽戸漁港の朝日の風景
 
桟橋にかかる朝日の画像出漁前の漁船の画像

 
漁場は港の目の前なので、出航したから帰港まで30分位です。帰港の頃には近所のオバチャンが港にやって来ます。
帰港すると全員で獲物を網からはずします。サザエやヤドカリなどは網が食い込んでグチャグチャになっているものもあります。
 
帰港した漁船の画像協力して獲物をはずす様子

 
網には海草も多く絡まっていますが、海草をはずすのは比較的容易です。
 
網にからまった海草の画像網から獲物をはずす様子

 
下の写真はカサゴとサンノジ。魚は全体で20匹位でしょうか、一番網にかかるのはサザエです。サザエは夜になると動き回り網にかかってしまうようです。
 
カサゴとサンノジの画像
 
今日は伊勢海老は2尾だけです。
網にかかった伊勢海老の画像
 
今日の魚はブダイ、バリ(アイゴ)、ニザダイ(サンノジ)、タカッパ(タカノハダイ)、カワハギ、イシガキダイ。これを全部頂きました。
サザエはカゴに2杯位。サザエは値段が安いので今日の水揚げは厳しいようです。
 
今日の魚の画像サザエの画像

 

オニヤドカリ(ガナゾー)

 
これがガナゾー。自分の体の数倍のサザエの殻に入っています。もっと小さい殻に入れば身軽だと思うのですが、どいつも体に不釣合いな大きな殻に入っています。
殻から出してみると頭部は硬くて強そうですが、腹部はブヨブヨで小さくちょっと情けない感じです。
 
基本通りみそ汁にしてみました。ダシは使わず水から茹でました。
 
オニヤドカリの画像オニヤドカリのみそ汁の画像

 
予想では同じヤドカリの仲間である『タラバガニ』に近い味だと思っていました。
本当に水が甘く感じたり、煙草が美味しく感じたりするのでしょうか??
 
味噌を入れる前に1尾試食してみました。ブヨブヨの腹部は、ほとんどが水分で少しだけ身のようなものがあります。ちょっと気持ち悪いですが、思い切って食べてみました。カニ味噌のような味かと思いきや全然違います。甘みとエグミが合わさったような味。ホヤやコノワタと同じ味です。頭部にはほとんど身がありません。筋肉の部分はエビ、カニの甲殻類の味なのですが、身は小指の爪の半分位の大きさなので食べているという実感はありません。頭部の味噌も少なく、腹部と同じ味です。
 
食べた後水が甘く感じる、煙草を吸うと美味しく感じるは本当でしょうか?
これは本当です。水を飲まなくても口の中に甘さがしばらくの間残っています。私は一年前に禁煙したので現在煙草は吸いませんが、食べた後煙草を吸うと美味しく感じるというのも本当だと思います。
すっと食べたいと思っていたガナゾーを食べてみたのですが、もう一度食べたいかというと答えはNOです。
不味いという訳ではありませんが、食べる部分が少なく味も微妙です。
 
オニヤドカリのみそ汁のアップ画像
 
今日頂いた魚を全部料理したみました。ニザダイ、アイゴ、ブダイ、イシガキダイは刺身、タカノハダイとカワハギは煮付けにしました。
 

ニザダイ

 
尾の部分に3本(本当は4本)の縞があるので釣り人は『サンノジ』と呼びます。
サンノジは身の締まりが良く脂がのっていて身の質は最高です。しかし・・・この魚は臭いが強烈。腹部はドブに腐った海草をつっこんだ様な臭いです。
千倉周辺で磯釣をしていると大抵良型のサンノジが釣れるので何度も食べてみました。生きているうちに血抜きをして、まな板を綺麗に保って料理をしましたが、何度食べても不味い!!身自体が臭いです。
 
何度が調理をしているうちに、この魚は素材の味を活かす料理は向いていないと思うようになりました。素材の味を完全に殺す調理にすればそれなりに食べられるので、ある意味簡単です。調味料や臭いの強いハーブなどを多用すればいいのです。
 
私は釣りと料理が趣味なので、毒がなければ釣った魚をほとんど料理して食べてみましたが、このサンノジは最強レベルに不味いと思います。
私の愛読している『ぼうずこんにゃくの市場魚貝類図鑑』によると「活けで冬季なら迷わず刺身にする。身が硬く薄造りにして美味。」とあるので時期や場所を選べば美味しく食べられるのかも知れません。
 
色々と試した結果、サンノジの身をウスターソース、レモングラス、コブミカン、ニンニクを入れ、カレー粉を入れてから揚げにしてみたら大好評。こうやるとおいしく食べられますが、何の魚を食べているのかさっぱり解りません。
 

アイゴ

 
釣り人は『バリ』と呼びます。背びれや胸びれに毒のある棘があり刺されるととても痛いです。これも磯臭い魚ですが、サンノジとりはマシです。刺身でも十分食べられます。
 
ニザダイの画像アイゴの画像

 
 

タカノハダイ

 
通称『タカッパ』『ションベンタレ』。この魚の臭いが強い個体が多くほとんど流通していません。しかし、タカノハダイはそれなりに食べられます。
富浦の浜の台所 お魚倶楽部では、タカノハダイ水揚げがあった場合はタカノハダイの唐揚を提供しています。
 

ブダイ

 
東京ではあまり流通しませんが、房州ではお馴染みの魚。伊豆大島では、唐辛子醤油にブダイの身を漬けた『ブダイの赤漬け』が名物。
この周辺では館山市布良の巴寿司のぶだい赤づけ寿しが有名です。
 
タカノハダイの画像ブダイの画像

 
 

かわはぎ

 
かわはぎはフグに近い魚で高級魚です。特に肝が絶品です。
 

イシガキダイ

 
名前通り体にイシガキのような模様があります。イシダイと区別さずに取引される美味しい魚です。
 
カワハギの画像イシガキダイの画像

 
カワハギとタカノハダイは煮付けにしてみました。カワハギは身が締まりまったく臭みがありません。タカノハダイは若干臭いがありますがそれ程気にはなりません。身はカワハギに比べて柔らかいです。
 
カワハギとタカノハダイの煮物
 

このページをご覧になった方は
こんなページもご覧になっています