風早不動尊(かざはやふどうそん)
館山市岡田の
風早不動尊は地域の信仰も厚く、堂内には多数の絵馬などが奉納されていて、年3回の縁日には御開帳が行われます。
このお堂は、子宝祈願のご利益があると評判になり、1月の大祭にはこの小さなお堂に大勢の人が参拝に訪れます。子宝を授かりたい人はここで犬のぬいぐるみを借りてゆき、願いが叶ったら借りたぬいぐるみと新しいぬいぐるみの2つを奉納するのだそうです。
【宗派】不明
【本尊】不動明王
【創建】天正18年(1590年)2月
【縁日】1月28日、5月28日、9月28日
境内には大きな銀杏の御神木があります。
鳥居
鳥居の形は明神鳥居に似ていますが楔(くさび)がありません。奉納は明治二十三年(1890年)、石工は山口勝三。
石灯籠
手前の灯篭は文政七年(1824年)四月。
奥の右側は明治二十五年(1892年)五月、白浜町の林七三郎奉納。左側は明治四十二年(1909年)二月奉納。
手水石
嘉永七甲寅年(1854年)十一月吉日奉納
後藤義光の彫刻
本堂向拝には、千倉の彫刻師後藤義光の彫刻があります。
龍の彫刻
木鼻の彫刻
彫工後藤義光七十八才。世話人渡辺平左衛門、社寺惣代人、渡辺平助・山口茂平・鈴木久左衛門。
本堂の壁には奉納者の札が掛けられています。
不動滝
かつては落差が5mもあったそうなのですが、大正十二年(1923年)の関東大震災により水の流れが変わってしまったそうです。現在の小さな滝は復興されたものです。
滝に向かって右側の斜面には「倶利伽羅竜王(くりからりゅうおう)」と「出羽三山の参拝記念」の石碑があります。
倶利伽羅竜王は不動明王の化身。龍は不動明王の智を表し、剣は外道の智を表したものと言われます。
出羽三山(月山・湯殿山・羽黒山)の参拝記念碑は、弘化四年(1847年)十二月建立。
本堂下の岩の不動明王像。