瀧口神社【鴨川市太尾】

2020年05月24日

瀧口神社(たきぐちじんじゃ)

鴨川市太尾の瀧口神社は天日鷲命を祭神とする神社です。天日鷲命は、天富命(あめのとみのみこと)に従い安房の国を開拓した忌部氏(いんべし)の祖神。安房国には諏訪神社、熊野神社、神明神社など多くの神社がありますが、天富命の祖父である天太玉命(あめふとだまのみこと)の系列と忌部氏の系列を祭神とする神社はあまり多くはありません。
 

滝口神社概要

 
【社格】旧村社
【祭神】
・天日鷲命(あめのひわしのみこと)※開拓・殖産の神
・天太王命(あめのふとだまのみこと)※安房神社の祭神
計12柱
【御朱印】不明
【祭礼】9月下旬 田原地区祭礼
・池田 愛宕神社
・押切 御嶽神社
・竹平 愛宕神社
・坂東 愛宕神社
・川代 須賀神社
・川代 熊野神社
・太尾 滝口神社
・来秀 天満神社
・大里 八幡神社
【由緒・沿革】(参考文献:鴨川市史 通史編/田原のあゆみ/房総の古社)
瀧口神社の縁起によると、平安時代後期の寛治四年(1090年)三月に鈴木玄蕃忌部義茂(げんばいいんべのよししげ)なる人物が、天日鷲命を祭神とする安房郡滝口村(現南房総市滝口)の下立松原神社の祭神を勧請して滝口大明神を創建したといいます。
 
明治四十四年(1911年)政府の神社合祀政策により、太尾字太尾の無格社若宮神社、大平の無格社八雲神社を合祀したことにより、祭神は天日鷲命、天太王など計十二柱を数えます。明治元年(1868年)九月に、西尾忠篤が封ぜられて花房藩を置かれた時、「鎮守の氏神として尊崇された」と記されています。昭和二十年供進指定村社となり、昭和二十一年三月二十八日神社本庁に所属し現在に至ります。供進指定村社とは、地方公共団体から幣帛の供進を受けていた神社のことで「神饌幣帛料供進指定社」と呼ばれます。
 

境内案内

 
神社境内は森に囲まれ太い杉の木が目立ちます。最初に朱塗りの鳥居があり、鳥居の先は一段高い境内となります。石段を上ると右側に手水舎、その先に一対の常夜灯と狛犬があります。狛犬の先には拝殿と本殿が鎮座しています。
 

鳥居

鳥居は朱塗りの両部鳥居。広島県廿日市市の厳島神社が有名です。建立年代は刻まれていません。
 

手水舎/手水石

 
手水舎は瓦葺のしっかりとした造り。手水石の年代は読み取れません。
手水舎と手水石
 
瀧口神社境内と拝殿
 

常夜灯

 
台座はしっかりとした造り。風化が進み年代は読み取れません。
常夜灯(左)常夜灯(右)

 

狛犬

 
安?五年?。安が頭に付く元号を調べてみました。安和(968~970)、安元(1175~1177)、安貞(1126~1129)、安永(1772~1781)、安政(1855~1860)全部調べましたが分かりません。名主 鈴木四良兵衛、組頭 政右エ門の文字は読み取れます。組頭とは江戸時代の地方三役のことなので、安永または安政かも知れません。
狛犬(左)狛犬(右)

 

お焚上げ処/三春の滝桜

 
拝殿右手前にはお焚上げ処と三春の滝桜があります。お焚上げ処には「古神、札等は納め処へ」の案内があります。三春の滝桜とは、福島県三春町の三春滝桜(みはるたきざくら)のことのようです。推定年齢は1000年超、日本三大桜に数えられ天然記念物に指定されている名木です。
お焚上げ処三春の滝桜

 

拝殿

 
拝殿の向拝には龍の彫刻、木鼻には獅子の彫刻があります。彫工師の名前を撮影するのを忘れてしまいました。
拝殿
 
向拝の龍の彫刻
 
木鼻の獅子の彫刻
木鼻の獅子(左)木鼻の獅子(右)

 
本殿の右側には数基の石宮があります。合祀した神社のものと思われます。
瀧口神社本殿本殿右の石祠群

 
社務所は神社の事務所。現在は使われていないようです。
社務所

詳細情報

名称

滝口神社

住所

〒296-0014 千葉県鴨川市太尾445

お問い合わせ先

04-7094-0323

※スマートフォンの方は電話番号をタップで直接電話できますので、営業時間や定休日をご確認下さい。
また掲載されている情報はこの記事を掲載した当時の情報ですので、古い場合がございます。
お問い合わせの際は「『房総タウン』を見た」とお伝えください。

駐車場

あり

アクセス

JR内房線「安房鴨川駅」より約4.1Km 車で約10分
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